前立腺炎

前立腺炎とは

前立腺に炎症が起きる状態で、前立腺がん、前立腺肥大症と比べて30~40代の若い人に多い病気です。発症率はなんと男性の2人に1人はいるとも言われているほど身近な病気です。
「前立腺炎」は原因や病態により分類されますが、原因がよくわからなかったり、治療方が確立されていない病態も含まれ、少し分りにくい疾患です。アメリカ国立衛生研究所(NIH)の分類がわかりやすいですが、特にⅢに含まれる症状、病態が、診断や治療がなかなかうまくいかないことがあります。

表1 前立腺炎のNIH(National Institutes of Health)分類(改変)

分類症状
急性細菌性前立腺炎発熱、排尿症状、全身倦怠感
慢性細菌性前立腺炎排尿症状、局所症状
慢性非細菌性前立腺炎

慢性前立腺炎/骨盤内疼痛症候群

排尿症状、局所症状
無症候性前立腺炎症状はない

症状

それぞれに症状も全く違います。

急性細菌性前立腺炎

細菌が尿道を通って感染し発症します。
高熱が出ることが多く、倦怠感、筋肉痛など風邪によく似た症状があります。
初期の頃はおしっこの時に痛みを感じたり、残尿感があったり頻尿などの症状があります。
症状が悪化すると歩くことや座ることさえ辛くなってしまったり、炎症が進行すると前立腺が膨れて尿道が圧迫される為、排尿に障害が出ておしっこが全く出なくなる事があります。
血行が豊富な部位での炎症となるため、そのまま放置しておくと、血液を通して全身へ細菌が感染し命の危険も危ぶまれる事もあるので注意が必要です。

慢性細菌性前立腺炎

急性細菌性前立腺炎のあとにそれが慢性化することがあります。
会陰部や下腹部などに不快感や鈍い痛みを感じたり、残尿感・頻尿の症状が現れます。
また精液に血が混じったり、睾丸の鈍い痛みや不快感、太ももの違和感、しびれなどの症状が起こるとも報告されています。
慢性細菌性前立腺炎が再び悪くなると前立腺に強い炎症を起こし、充血し膨れてきます。すると発熱や痛みなどが出る事もあります。

慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群

慢性前立腺炎のうち、細菌が検出されない場合を慢性非細菌性前立腺炎といいますので上記の症状と同様です。また同様の症状はあっても、直腸診や尿検査で前立腺炎の所見がない場合、慢性骨盤痛症候群と診断されることがあります。

原因

急性前立腺炎

大腸菌などの細菌により感染して起こる病気です。
尿道カテーテルや膀胱鏡検査、前立腺生検(前立腺がんの精密検査)などの後に起きるのが10%くらい、それ以外は尿道炎や会陰の損傷、排尿障害に伴う尿路感染など様々な事で発症します。
またクラミジアや淋病などの性感染も急性前立腺炎を発症する可能性もあります。

慢性前立腺炎

症状のところにも書きましたが、いろいろの病態が含まれていますので、簡潔に考えにくいのですが、尿道から入った細菌が前立腺に感染したり、長時間のデスクワークや乗り物などの移動・運転、スポーツタイプの自転車などが原因となることがあります。
疲労やストレス、飲酒なども体の抵抗力を低下させ慢性前立腺炎の原因になり得ます。

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